21世紀での日本社会の人口構成は急激に高齢者人口が急増することが示されています。ここから読み解くことは高齢者対策ということはすでに日本では共通の認識になっています。この現象は社会福祉の概念の変更も迫ることを示しています。
20世紀の日本社会では社会的弱者への支援は専門知識と技能を有する者にゆだねられていましたが、21世紀の高齢者の急減にして急増する現象は、誰でもが高齢者になることを示し、誰でもが要介護状態になる可能性を示しています。
言い換えると多くの人が高齢者になり多くの人が要介護状態になります。この多くの人は20世紀で社会的弱者として支援の対象となった人たちとは異なり、普通の人たちです。
要介護状態となる普通の人たちを支援していくため、介護保険制度を創設し、そのなかに専門職として、20世紀の専門知識と技能を有する者ではなく、医療や福祉の資格を有し実務経験を有する者が資格を有することができる介護支援専門員を創設したと理解されます。
介護保険制度によって役割を与えられた介護支援専門員は、その位置づけから介護保険制度を拠り所として、介護保険制度を活躍のフィールドとします。
介護支援専門員の職制は介護保険制度によって付与されていることから介護支援専門員は介護保険制度の理解が欠かせません。介護支援専門員は、保険者である自治体の代理人の立場に立つと同時に利用者の代弁者という、保険者被保険者という利益相反の関係の間にたつことを求められます。さらに介護サービスを提供する事業者からのサービス導入の勧誘にもさらされるという立場に立っています。
また、介護支援専門員自身にも、要介護状態高齢者への慈愛から発する業務への情熱と公的制度により求められる規律性との狭間にたっていることも見逃せません。
保険者被保険者の利益相反そして事業者からの勧誘という三つ巴のなかで奮闘している介護支援専門員が業務を果たしていくために居宅介護支援事業所、法人からの支援が不可欠です。
保険者被保険者の利益相反そして事業者からの勧誘という三竦みの関係のなかで一人苦闘している介護支援専門員に、背後から考え方や業務の方向を支援する役割を有するのが居宅介護支援事業所であり、その事業所を運営する法人の役割となります。
苦労している介護支援専門員を支える居宅介護支援事業所の役割を果たすことにより介護支援専門員が果たす業務に効果的な行為を与えることになります。
保険者被保険者の利益相反そして事業者からの勧誘という三竦みの関係のなかで苦労している介護支援専門員に的確な業務を執行するにはどうするかという命題と、介護支援専門員を支える事業所・法人の役割と業務を解明し、介護支援専門員と居宅介護支援事業所・法人の両面を扱うということから、ケアマネ経営研究会の活動を行っています。
ケアマネ経営研究会での成果を株式会社日本高齢支援センターにおいて実証するとともにこの会社で行ったことを検証し、それらの結果や成果を公表して多くのケアマネジャーの業務を支援し健全な各種事業所の経営が行われるよう貢献していきたいと思います。
代表 戸田正雄